APT Women ACCELERATION PROGRAM IN TOKYO FOR WOMEN

受講生

株式会社ビヨンドザリーフ 楠佳英

株式会社ビヨンドザリーフ楠佳英

世界でたった一つ編み物ブランド〜何歳でも好きを仕事に〜

ビヨンドザリーフの事業内容を教えてください。

ビヨンドザリーフでは、高齢化が急激に進む日本でシニアやプレシニアが、何歳になっても、自分の好きなことや得意なことで社会に参加できる仕組みを作ることを目的とし、現在は編み物に特化したファッションブランドの運営を行っています。当初は、私と、作り手である義理の母の2人でこの事業を始めましたが、口コミや紹介によって、現在では40~45名ほどの作り手の方が在籍しています。作り手は、40代~80代までと幅広く、主婦やおばあちゃんが中心です。

ビヨンドザリーフの販売チャネルは、現状自社ウェブサイトでの販売が約7割、百貨店等での出店による販売が約3割です。百貨店では、作り手さんが自ら接客をして、商品に込めた思いをお客様に伝えています。こうした販売活動を通して人と人を繋ぎ、おばあちゃんも元気になり、またお客様にも会話を楽しんで頂いています。このように実際に商品を手に取ってご注文頂ける機会を、今後増やしていきたいと考えています。お客様のリピート率も比較的高く、10回以上商品を購入してくださるお客様が2割弱もいらっしゃいます。

価格を下げてより多くのお客様を獲得することは簡単なのですが、丁寧に手作りされた商品の原価(人件費)を下げて販売をしたくない、適正価格で販売したい、という思いのもと、ビヨンドザリーフでは、値下げ等のキャンペーンは一切行わずに商品を販売しています。

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起業のきっかけを教えてください。

起業のきっかけは、義理の母です。義理の母は、典型的な昭和の専業主婦で、夫や子供のお世話をすることに生き甲斐を感じていました。しかし、義理の父の他界や子どもの独立の後、やることがなくなってしまい、みるみる弱ってしまいました。そんな義理の母を見て、放っておけないという思いを抱いていました。

義理の母は編み物が趣味で、よく私に編んだ物をくれました。私は、義理の母の作品をたくさんもらううちに、この編み物の技術を今の時代に合った別の価値に置き換えられれば、シニア層の新しい役割が見いだせるのではないかと思うようになりました。 私は服や雑誌が大好きだったこともあり、当時、出版社でファッション雑誌のライターをしていましたので、若者の好むデザインについてもよく把握していました。こうしたデザインと、おばあちゃんが持っている編み物の技術を融合させて、新しい商品に生まれ変わらせようと思ったのです。

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今後の展望を教えてください。

今年(2018年)7月にアトリエとショールームを兼ねた実店舗をオープンする予定ですので、作り手がお客様に思いをお伝えできる場として育てていきたいです。これまでインターネットによる販売が中心だったのですが、手作りの商品を、簡単にネット販売することに疑問を感じ、お客様と直接お話しできる実店舗の立上げを考えたのです。地域に根付きたいという思いから、実店舗の場所は、都内ではなく、活動拠点に近い東急東横線の日吉駅を選びました。今後、地域の人々が集い、繋がる場所にしたいと考えています。

事業拡大という面では、国内では知らない人がいない位の圧倒的なブランドになり、その後は海外へ展開して行きたいと思います。1人でも多くの作り手を雇用し、様々な状況下の女性が社会参画する受け皿となれるよう、多くの方に我々の商品を知って頂きたいと思います。

インタビュー動画