APT Women ACCELERATION PROGRAM IN TOKYO FOR WOMEN

受講生

株式会社プリローダ/日本農業株式会社 大西千晶

株式会社プリローダ/日本農業株式会社大西千晶

農薬不使用野菜の六次産業化の実現及び研究活動

大西さんはプリローダ、日本農業の代表と伺いました。両社のことを教えてください。

京都府と大阪府にある自社農園と、全国に10箇所ある提携農家とパートナーを組み、農薬不使用・有機栽培・自然栽培の野菜を育て、卸販売しています。他にも遠足や外国人を受け入れたり一次産業ビジネスを広めるための活動をしています。大阪府箕面市にはアンテナショップもあって、こちらではオーガニックの野菜やその加工品を販売しています。

もともとは一次産業だけをやっていたのですが、現状の農業界からイノベーションが必要であると感じ、六次産業にも手を広げました。こうすることで需要と供給のバランスをあわせやすくなり、消費者に野菜を手にとっていただく機会が増えるんです。

とはいえ我々は、野菜生産のプロではありますが加工のプロではありませんでした。六次産業化は福島工業株式会社の協力をえて開発を進めてきました。そして4年間テストを重ね、今年の1月に冷凍コールドプレスジュースを完成することができたんです。「FARMACY JUICE」という名前で、「farm(農場)」と「pharmacy(薬局)」をかけ合わせた造語です。コールドプレスジュースは今まで、24時間以内に提供しなければいけなかったので保存性が低く、ジューススタンドでしか飲むことができず汎用的ではありませんでした。しかしFARMACY JUICEは冷凍なので保存できますし、何より国内産農薬不使用野菜を100%使っていますので、体にとてもよいものとなっています。

農業に携わるようになった理由を教えてください。

元々農家だったとか、農業が身近だったわけではないんです。ただもともと農業従事者が減少していっていることには課題感がありました。

学生時代から社会的に意味のあることをしたいと思って色々活動していたのですが、その活動の中で田植えに触れる機会があったのですね。農業関連のイベントは多数開催されていますし私も手掛けたのですが、これだけでは農業を職業にしてくれる方は増えないと感じました。そこで最初はNPOとして、次にビジネスとして農業に携わるようになったんです。

我々は無農薬など自然な農作物の生産にこだわっています。水耕栽培や遺伝子栽培などの手法も確立されてきてはいますが、やはり自然から遠のくのはよくないというというのが私たちのスタンスで、自然共生性も高く、再現性も高い農業を目指しています。

今後の展望を教えてください。

海外にも目を向けていきます。今後100億を超える世界人口で、食糧不足になると言われています。そして、土壌水質汚染に影響を与える農業は世界的に警鐘が鳴らされ有機農作物の需要はますます高まります。国内人口が減る中、若い農業者を増やすには海外販路も必須です。なので農業の6次産業化が必要なのです。我々のFARMACY JUICEは冷凍して野菜の栄養を摂取できるので、この課題に貢献できます。

販路拡大だけでなく、オリンピックを目前に注目される日本から、自然環境に寄り添った農業で地方創生や環境保全を解決する新しい価値を創造する企業のあり方、地方と都市の役割を示しキャピタルシティーから安心安全な食を世界発信したいです。

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